日本人の感覚ではとても考えられないが、海外では「史上最高の格ゲー」という声も少なくないシリーズ2作目。使用可能キャラが7人から12人に増え、各キャラの「フェイタリティ(究極神拳)」が2種類となり、それに加えて相手を赤ん坊に変えてしまう「ベイバリティ」と、殺さずにお友達になれちゃう平和主義者向けの「フレンドシップ」が追加された。
アメリカでは1994年に、ゲームの内容を対象年齢別にレイティングしてパッケージに表記するESRBという団体が成立されたおかげで、前作の家庭版では規制されてしまったゴア表現が今作からは全機種に裏技なしでもきちんと移植できるようになり、アメリカのファンの間でゲーム業界に明るい未来の希望が照らされた。そんな中、規制がまだ緩いはずだった頃の日本でスーファミ版が国内では規制される(血がすべて緑色、フェイタリィ時に画面が白黒など)というわけのわからないハプニングが起きた。ほぼ同時期にスーファミに移植された『スーパーストリートファイターⅡ』や『ワールドヒーローズ2』の負け顔グラフィックが規制されていたところを見ると、おそらく任天堂ジャパンが規制させたものと思われる。そして何故かプレイステーション版はアメリカでは発売されておらず、日本限定発売(こちらは規制なし)というこれまた不可思議なことになっており、次回作のMK3やトリロジーは日本ではプレイステーションでのみ発売されるなど、モーコンは何故か日本のプレイステーションではやたらと優遇されていたことがわかる。
1994年当時米国では今作はもちろん『ドゥーム』『リーサル・エンフォーサーズ』『ナイトトラップ』といった暴力や性的表現が顕著なソフトが大幅に増え始めたため、前作の家庭版移植の際にファンの間で大不評となり、何かとネックだった規制問題を解決するために、ESRB(エンターテインメントソフトウェアレイティングボード)が日本のCEROよりも10年近くも前に成立されたわけだが、おかげでそれまではあからさまに日本よりも規制に対して厳しかったアメリカも徐々に少しずつ緩くなっていった。しかし、日本では逆に10年後にCEROの審査が義務付けられるようになってからは、規制がどんどん厳しくなってしまうという怪奇現象が起きてしまった・・・おそらくその原因はESRBと違ってCEROに成人向け(Z)指定されたソフトはテレビでは深夜にしか宣伝ができなくなってしまうというハンデが課せられてしまうため、もちろんそれだと売上に大幅に影響を与えてしまうので結局どこのメーカーも必死にZ指定を避けようとするようになってしまったのである。たったそれだけのことでCEROはESRBとは真逆に日本のゲーム業界をどんどんダメダメにしてしまうだけなのであった。 |