ストⅡシリーズも『スーパーストリートファイターⅡX』で通算5度目ものグレードアップを向かえ、ファンもそろそろ新作を欲していた頃に発売されたストリートファイターⅠとⅡの間の出来事という設定のZEROシリーズ。シリーズおなじみのリュウ、ケン、サガット、Ⅱのヒロインであり、格ゲー界のヒロインでもある春麗が新コスチュームで登場し、それまで一般的にはわりと知名度が低かったストⅠのキャラとしてアドンとバーディ、実はもともとストシリーズとして発売されるはずだったストリートファイター'89ことファイナルファイトからもガイとソドム、ストⅡでは名前だけの登場だったガイルの親友ナッシュ、完全新キャラのローズの10人が初期デフォルトキャラとして選択可能で、ボスキャラとしてストⅡの劇場版アニメに影響されてデザイン変更されたベガと前作スーパーストⅡXの隠しボスだった豪鬼、そして最後はライバル会社であったSNKの『龍虎の拳』の主役キャラをパロったネタキャラで後に大人気キャラとなるダンが隠しとして登場した。
それまではリアル調だったグラフィックが同社のヴァンパイアシリーズでおなじみのアニメチックな雰囲気となり、同じくヴァンパイアでもおなじみだった空中ガードや、通常技の弱、中、強をタイミングよく押すことで連続で繋げられるチェーンコンボも搭載された。スーパーコンボゲージが3段階までストック可能となり、それに合わせて各キャラのスーパーコンボがレベル1~3まで使い分けることも可能となった上に各キャラのスーパーコンボが2種類ずつに増え、ゲージを一本消費するガードキャンセル技、ZEROカウンターも追加され、戦略の幅が広がった。
劇場版ストⅡMOVIEが公開されてからまだ日が浅かった時期に開発されたこともあり、映画のクライマックスシーンのリュウ&ケン対ベガの2対1の闘いが再現できる隠しモードもあり、BGMもそのシーンで流れた『恋しさと
せつなさと
心強さと』のカラオケバージョンが流れたが、家庭版では曲の使用料の問題でベガのテーマに変えられてしまった。ゲームボーイカラー版は海外の開発元によって移植されたためか、タイトルが海外版の『ストリートファイターALPHA』になっており、カプコンUSAがストⅡでガイルのエンディングに出てくるナッシュの名前を勝手に変えてしまったため、ナッシュの名前がチャーリーになってしまっている。
カプコン的にはⅢが完成するまでの小遣い稼ぎのつもりで開発したらしいZEROシリーズだが、最終的にはストⅢ以上に成功することとなった。 |