日米

アニメ比較

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このページでは95年~96年にかけて全26話製作されたアメリカ版ストリートファイターのテレビシリーズを紹介。26話なんて半年分のエピソードしかないじゃないかと思うかも知れないが、アメリカでは『シーズン』といって一年に何話製作されるのかがあらかじめ決まっており、95年10月から13話放送され、一年間ずーっとその13話を再放送で繰り返しながら一年後にまた新しい13話を放映するというシステムになっている。

で、内容はというとキャラ設定はあのメチャクチャなハリウッドのジャン・クロード・ヴァンダム映画が元になっている。当時カプコンUSAは何故か『G・I・ジョー』というアメリカの軍人アニメと関連を持たせようとハリキっていたため(何故かはまったくの謎だが)、当時発売されたオモチャなどが妙に軍隊色に染まっていた・・・そして当然のごとく軍人であるガイルが主人公で、チャーリー(ナッシュ)がブランカで、ケンがコソドロだったり、リュウの名字が『ホシ』で春麗の名字も『ザン』だったりするのだ。そして信じられないかもしれないが、キャラデザインは(一応)日本の劇場版が元になっている。そして結局このシリーズ、日本の劇場版を見て日本アニメに触れることができたアメリカのストリートファイターファン達が、「なんだこのゴミみたいな番組は」とまったく気にも止めてくれなかったようで、ちゃんとした最終回もないまま、めでたく打ち切りになりました。

とりあえず「オレの方がうまく描けるぜ」とか言わず(超神もそー思ったけど)、ここは一つ広い心で笑ってあげようではないか。
なお、ほぼ同時期に日本のテレビで放映されたストリートファイターⅡV(全29話)とはなんの繋がりもないです。

 

 

リュウ

アメリカ人ではないということで、主人公の座を下ろされてしまったリュウ。現在だったらなんの問題もなく主人公をやらせてもらっていただろうに、多少時期が早すぎたようです。残念でした。キャラデザインは主役ではなくなったせいか、凛々しさが完全に失せた様で髪型がスネオ君している。わざとカッコ悪く描いているのかどうかは定かではないが。

 

 

ケン

日本人であるリュウがダメなら当然主人公候補はケンと思うだろうが、なぜかただのコソドロ・詐欺師に成り下がってしまった。金目のものには目のない金の亡者です。オフィシャルではマスターズ財団の御曹司とかで金持ちという設定なのだが・・・主役になれなかったのも設定上日本人とのクォーターだからか?そんな設定などどーにでも変えれそうなものだが。

 

 

春麗

同じ東洋人でも、女性ならばちゃんとヒロインの座をもらえるのが世の掟。オマケに本田とバルログ(日本ではバイソン)いう子分付きの姉御役。デザインの方は、相変わらず女性キャラがアメコミでは逃れては通れないタラコ唇。トゥームレイダーといい、アメリカ人はなぜかタラコ唇がせくしーに感じるよーで、女性キャラを必ずタラコにします。

 

ガイル

なんか顔がオカシイと思ったら勝手に眉毛を付け足していますね。多分、主人公に眉毛がないのはいかんということなんでしょうか。えっ、ガイルが主人公という時点で終わっている?まぁ、そーいわずに当時の一般的なアメリカ人達にはまだ日本人を主人公として受け入れる器を持ち合わせていなかったのだから、その辺は大目に見てあげましょう。

 

 

キャミィ

やっぱりタラコ唇。おそらくキャミィファンにとってかなり屈辱と思われるのが、何故かガイルにベタ惚れしていて執拗にガイルとイチャついてはチューまでしちゃいます(ガイル、妻子持ちです)。しかもさらにタチ悪いのは海外版のゲームのエディングではトドメを刺される寸前のベガ様は記憶のないキャミィに『昔は愛し合っていたのに』などと大ボラを拭いて助かろうとするのだが、この番組の製作者はそれを真に受けて本当に昔恋人同士だったという設定にしてしまいます。(てか、カプコンUSAもちゃんとエンディングぐらい正確に訳せよ・・・いらん誤解まねくし)

 

 

ブランカ

フルネーム、カルロス・ブランカ(通称チャーリー)。確かに日本版ではかなり存在意味が謎なブランカをナッシュ(アメリカではチャーリー)のキャラクターと融合させることによって多少なりと存在感を持たせることはできたよーですが。しかし米国版製作者はエンディングで彼の本名がジミーということを知らなかったのでしょうか。それよりも後にZEROシリーズで本物のナッシュが使用キャラになるとは夢にも思わなかったことでしょう。

 

 

ベガ
(M.バイソン)

海外ではバイソンの名前がマイク・タイソンに告訴されないよう、バルログとベガと名前を入れ替えられたせいでバイソン将軍になってしまったベガ様。テレビ版でも、もちろんベガ様ではなくマスターバイソンです。それにしてもアメリカ版の顔が元・大統領候補ロス・ペローに見えるのは気のせいか。これではあのハリウッド版が遺作となってしまったバイソン役のラウル・ジュリア氏も浮かばれません。

 

 

ソドム

ZEROキャラということで日本の劇場版には登場しないソドムだが(写真はOVA版)、アメリカのテレビ版ではちゃっかり登場します。しかも何故かバーディの相棒みたいな役で。なお、バーディや本田など最初からブサイクなキャラ達は、絵自体はヘタクソだがデザイン的にはさほど変わっていないので省略するが、アメリカ版のソドム、足袋を履き忘れてます。裸足の方がカッコ良いと思ったんでしょうか。

おまけ

アメリカ版春麗の華麗なるスピングバードキックです・・・独楽ですか?

 

 

ヴァンパイア



ヴァンパイアハンター97年3月~98年3月発売
OVA 全4巻

DarkStalkers』 95年9月~12月放映
TVシリーズ 全13話



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1995年当時ストリートファイターがケーブルテレビで放映されていた同時期に地上波ではダークストーカーズ(日本名はヴァンパイア)のテレビシリーズが放映されていた。実際あのストリートファイターはケーブルテレビ専用アニメということもあって、製作者は製作者なりに無い実力を振り絞って気合を入れて作っていたつもりであったのだ。では、その実力のない者達がさらに手を抜いて作れば一体どんなものになるのかといえば、このアメリカ版テレビシリーズのダークストーカーズになるのだ。その出来の悪さは日本でOVAシリーズが製作される以前に作られたため、ストリートファイターとは違って参考にできる日本版もまだ存在していなかったからともいえるが。

とりあえずストーリーはホーム・アローンのガキみたいなハリーとかいう、おそらくハリー・ポッターが元ネタのガキが猫娘フェリシアの飼主で、そいつは魔法使いの子孫か何かでまだ未熟者なのだが、フェリシアと供に宇宙の支配者パイロンに操られた吸血鬼デミトリとタラコ唇デザインの吸精鬼(サキュバス)モリガン達と闘うため、世界を救う旅に出る。ただそれだけ。で、とーぜん敵を倒した後、タラコ唇デザインのフェリシアは飼主に抱きついたりすると、そのガキは『やめてくれよー』とか言って引き剥がすというベタな展開になる。

「ただそれだけ」で終わったのも、たったの13話であまりの不評に容赦無く打ち切りになったからである。カプコンもよーやくアメリカ人がちゃんとした格闘アニメを作れないということを理解したのか、もしくはアメリカでも日本のアニメの方が人気が高くなってきたことに気が付いたのか、1年半後に日本で制作されたOVAシリーズもちゃんとアメリカでビデオとしてリリースしてあげました。

同じアメリカンアニメでも、大人向けコメディとかは割と面白いんですけどね。絵はともかくとして。

  

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